「今度ホラー企画が来たらいったん持ち帰ります……」事故物件に潜入した美女2人のトラウマを聞く

左:海老野 心 右:石川翔鈴

 美少女2人がリアル事故物件に潜入し、演技ではない生の恐怖の表情を見せている映画がある。自ら「怖すぎて顔がひどい」「生きて帰れないと思った」と語るホラードキュメンタリーについて本人たちに聞いた。

海老野心・石川翔鈴インタビュー

――今回の映画はドキュメンタリーなんですね。

海老野心(以下、海老野):もろドキュメンタリーです!

石川翔鈴(以下、石川):完全。完全ドキュメンタリーです。三軒茶屋に「日本一心霊現象が多発する」と言われているビルがありまして。(オカルトライターの)角由紀子さんを始めとした撮影チームが数日間滞在して、何が起きるかを検証した映画です。

 チームの滞在中に私たちやいしだ壱成さん、やくみつるさんといった出演者が訪れて、自分の体験談を話したり、あえて霊を呼ぶような実験をしたり、という構成になっています。

――じゃあ、ご本人役なんですね。

海老野:役というか、本人です。

石川:概要すらほとんど聞いてなくて。二日前に「こんな映画なんですけど出ますか」って(笑)。台本もないし、心の準備なんもできてなかったよね。

海老野:そう。何も知らなくて、撮影当日もメイクして行くかどうか迷ったくらい(笑)。直前までスタバ飲んだりノンキにしてたので、「え、今からヤバいとこいくの!?」って急に世界が変わった感じでした。

――スタバからの落差が。

海老野:そうなんですよ。私は『真・事故物件』シリーズの撮影を通して心霊スポットにも訪れていて、“気が変わる”のを感じるようになってしまっていて。

 入った瞬間、「あ、ここだな」って気が変わったのを感じました。角さんにお線香の匂いがしませんかって言ったら「誰も焚いてないんだけどするんだよね」と同意を得てしまって、「今日終わったな」って。

――終わった!?

海老野:怖すぎて。もう帰れないかもなって思いました。ホラーを創ることはしていても、体験する側は初だから、今までとは違うって。でも翔鈴はそこまで感じてないんだよね。

石川:私は建物に入っただけでは感じなかったけど、こっくりさんで実感しました。

――そんなところでこっくりさんしたんですか!?

石川:そうなんです。本当に勝手にコインが動いて“誰か”の回答が読み取れて。しかもずっと天井が揺れたり時計を飛ばしたり激しいポルターガイストが起きていたんです。

 それを鎮めるために角さんが色んな角度から質問をしていきました。映画本編ではカットになっていると思うんですが、男性が参加しているのがイヤだったみたいで、男性陣が席を外したら落ち着いたんです。

 そうやって会話が成立していることに驚いて、これ本当なんだって。私は元々霊感もないし心と違って建物内の気とかも感じなかったけど……こっくりさんとコミュニケーションしているうちに、空気が冷たくなってきて、左肩が重くなったりして、「本当にヤバいものに関わってしまってるんだ」って途中から気付いてしまいました。

――心霊現象とコミュニケーションが成立してしまったわけですね……。

石川:撮影的には成立してよかったですけど(笑)。それが全部映像に残ってるから面白い作品だと思います。でも怖さのあまり、写りとか何も気にできなかったな(笑)。

海老野:私もカメラを気にする余裕がなくて、写りがひどい……(笑)。今まで演じてきた怖さのリアクションとは全然違う顔になってます。

石川:でも本当にこういうことがあるって知って強くなれた気がします!

海老野:翔鈴は本当に最初は信じてなかったよね。私は入室しただけで頭が痛くなっちゃったのに、翔鈴に言っても否定されて。

石川:その時は気のせいだよって言ってた(笑)。

海老野:だから正反対の立場で参加したんです。翔鈴がいてくれたおかげで自我が保てて、引っ張られ過ぎなくて済んだかも。

 でもこっくりさんが進行すると翔鈴まで「頭痛い」「肩が重い」って言い始めて……私も最初は「どっか仕掛けあるんじゃない?」とか思ってた部分もあるんですけど、それで「ガチなんだ」って。生きて帰れないかもしれないって思った。

石川:思ったよね。

――最初は立場が逆だったけど、そこの感覚は一緒になったんですね。

石川:私は最初ヘラヘラしてたけど、こっくりさん中は心の手をガッチリ掴んでた(笑)! 途中で怖さのあまりこっくりさんのルールに違反して半べそで角さんに泣きついたりしてました。

海老野:角さんに「大丈夫大丈夫」ってあしらわれて(笑)。あの時は本当に「終わったわ、もう」って思ったね。

石川:何が起こるかわからない状況で唯一わかってるルールにまで違反してしまったから本当に怖くて。死を覚悟したよね。

海老野:怖かったー……。

――無事に帰ってきてくれてよかったです(笑)。

石川:まだ不安ですけど(笑)。でも先月お祓い行ってきました! 次にこういう企画をいただいたら、いったん持ち帰って検討しようと思います……(笑)。最悪命を落としかねない! ちゃんとリサーチしてから考えます。

海老野:うん。やっぱり心霊現象は信じてないと起きないと思うから、作った人の情熱に心霊が応えてくれた作品だと思うんですよ(笑)。だからこそ、次のエクストリーム作品は要検討ですね……。

――作った人たちの情熱が。

海老野:「(配給会社の)エクストリームやるなあ」って思いましたよ。好きな人たちが情熱を注いで作っているからリアルになってて……。

石川:ホラー好きには絶対観てほしい作品ですね。

海老野:絶対に観てほしいよ。私たちだけこんな怖い思いをさせられたから、みんなを道連れにしてやりたい(笑)。でも物販で塩を売ったほうがいいです!

石川:あ、こっくりさんセットは物販あるらしいです(笑)

(取材・文・写真=グラッチェ編集部)

『三茶のポルターガイスト』

2023年3月24日(金)より、ヒューマントラストシネマ渋谷、池袋シネマ・ロサ、 新宿シネマカリテ 他 全国ロードショー

監督:後藤剛
出演:角 由紀子/横澤丈二/やくみつる/いしだ壱成/海老野 心/石川翔鈴 他
配給:エクストリーム

絶対的大スクープ。ついに本物の幽霊の撮影に成功――!

『真・事故物件/本当に怖い住民たち』で映画製作プロジェクトをスタートしたサイゾーによるホラー映画プロジェクト第4弾は初の潜入ドキュメンタリー!

東京・三軒茶屋の雑居ビル。史上最怖の心霊スポットに決死の潜入取材敢行!次から次へと起こる騒霊現象の数々にカメラは凍りついた!! ホラードキュメンタリーの歴史を変える真実の記録!!

監督は一切やらせなしのガチンコ心霊ドキュメンタリー『怪談新耳袋殴り込み!』シリーズを手掛け、「新耳 G メン」の 1 人である後藤剛。

主演はオカルトサイト TOCANA の立ち上げ人であり元編集長で、現在はオカルト編集者としてテレビ、雑誌などで活躍する角由紀子。幽霊ビルでの検証に参加するのは「超無敵クラス」レギュラーの海老野心と、『オカムロさん』など女優、そしてインフルエンサーとして話題の石川翔鈴、他にもやくみつる、いしだ壱成が出演し、怪奇現象を目の当たりにする!

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